Posts Tagged ‘時価’

個人の事業者による自家消費の場合に、対象資産の時価はどのように影響するのでしょうか。

 

個人の事業者が棚卸資産や棚卸資産以外の資産で事業用として使っていたものを家事のために使用・消費することを自家消費といいます。
このような自家消費に対する消費税の課税対象は、自家消費には実際に引き渡される対価がないわけだから、その資産を使用・消費した時の資産の価額である時価が対価の額数とみなして消費税の課税標準になります。
しかし、棚卸資産の自家消費に関しては、その資産の仕入れ価額を超える金額であると同時に、常に他に販売する価額の大概5割相当の額数を超える金額が対価として確定申告されたときは、その取扱が可能となります。

資産の譲渡とみなされる場合に、その資産の時価によって変わる消費税にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

日本内の事業者が、事業として対価を貰って行う資産譲渡は、消費税の課税対象になります。このような譲渡の中に、以下のようにその資産の時価で譲渡が行われたものとみなして、その時価を基準にして消費税の課税を行う場合があります。
1.法人が自社製品などをその役員に贈与した場合
2.個人事業者が自分の事業用に使用している資産や販売商品を家事用として使用・消費した場合

*時効や相続によって財産が移転した場合は、資産の譲渡には該当しません。
*資産の譲渡の成立にはその原因とは関係ないので、強制換価手続で換価される場合や、他人の債務を保証したことに基因して行われる譲渡も課税対象に含まれます。

会社が役員に社宅などを貸し付けた場合、対象社宅の時価はその 貸し付けの源泉徴収にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 

会社が役員に対して社宅を貸し付ける場合、その役員から1ヶ月あたりの一定額数の家賃を貰うことになっていれば、給与とした課税対象には含まれません。
賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積より規模の小さい住宅とそれ以外の住宅と分けられることになり、以下の通りに計算されますが、この社宅が社会通念上、普通の貸し付けであるとは考えられない、いわゆる豪華社宅である場合は、その社宅の時価が賃貸料相当額となります。

*豪華社宅の範囲:床面積が240㎡を超過するものの中で、内外装の状況、支払賃貸料の額数、取得価額などの各種要素を総合的に考慮して判断されます。240㎡以下のものに関しては、役員個人の嗜好が幅広く反映された設備などやプールなどがあるものを除いて、以下の計算式によることを原則としています。
*小規模な住宅の範囲:建物の耐用年数が30年以下である場合には、その床面積が132㎡以下の住宅、30年を超える場合はその床面積が99㎡以下の住宅のことをいいます。

(1)役員に貸し付ける社宅の規模が小規模ではない場合
この場合は、その社宅の所有権が自社が持っているのか、他社から借り受けたものなのかによって計算の方法が異なります。
a.所有権を自社が持っている場合:下記の項目の合計の1/12
*当該年度の建物の固定資産税の課税標準額x0.002:建物の耐用年数が30年以上である場合は1割をかけます。
*当該年度の敷地の固定資産税の課税標準額x0.06
b.所有権を他社が持っていて、その他社から借り受けた住宅である場合:家主に会社が支払う家賃の5割の金額と、上記のaの賃貸料相当額とどちらか多額の方が賃貸料相当額となります。
(2)役員に貸与する社宅の規模が小規模である場合
下記のa~cを足した額数が賃貸料相当額となります。
a.当該年度の建物の固定資産税の課税標準額x0.002
b.当該年度の敷地の固定資産税の課税標準額x0.022
c.12円X{対象の建物の総床面積(平方メートル)/3.3平方メートル}
(3)給与の扱いとなって課税される範囲
a.住居者が直接に契約している場合の家賃負担と現金で支払われる住宅手当は、社宅の貸付として認められませんので、給与の扱いとなります。
b.役員に無償で貸し付ける場合、その賃貸料の相当額は給与の扱いとなって課税されます。
c. 役員から賃貸料相当額より低額の家賃を貰っている場合は、賃貸料相当額と実際に貰っている家賃との差額が給与の扱いになって課税されます。

資産の時価が、譲渡所得に対してどのような影響を与えるのかについて教えてください。

 

譲渡所得の計算は、収入金額に譲渡費用と取得税を合算した金額を控除して、さらに特別控除額を差し引いて行われます。
この中で収入金額は、建物や土地を売却したことで買主からもらう金銭をいいますが、建物土地を現物出資して株式を貰ったケースのように金銭以外の権利や物で貰う場合は、その権利や物の時価が収入金額となります。

ちなみに、建物や土地の譲渡を行った場合の特別控除額は、下記のようになります。
1.農地保有を公理化するなどの理由で農地などの譲渡を行った場合:8,000,000円
2.2009年と2010年に取得した日本内の土地の譲渡を行った場合:10,000,000円
3.特定の住宅地造成事業などの理由で土地の譲渡を行った場合:15,000,000円
4.特定の土地区画整理事業などの理由で土地の譲渡を行った場合:20,000,000円
5.居住用として使用している家屋や、その家屋と共に敷地の譲渡を行った場合:30,000,000円
6.収用などによって建物や土地の譲渡を行った場合:50,000,000円
2以外の特別控除額は、短期・長期の譲渡所得のどちらからも一定の順番で控除が行われます。2の特別控除額の対象は、長期の譲渡所得に限られます。
*建物や土地の譲渡所得から控除する特別控除額の限度額は、年間の譲渡所得の全体を通して50,000,000円となります。
*長期の譲渡所得:譲渡を行った年の1月1日時点で所有期間が5年を超過する建物土地を譲渡したことで得た所得をいいます。
*短期の譲渡所得:譲渡を行った年の1月1日の時点で所有期間が5年以下である建物土地を譲渡したことで得た所得をいいます。

譲渡所得の税額の計算は、給与所得などの他の所得とは合計せずに、分離課税制度が採用されています。
1.長期譲渡所得:課税長期譲渡所得額X0.15
2.短期譲渡所得:課税短期譲渡所得額X0.3
*2013年~2037年までは、復興特別所得税として各年度分の基準所得税額の0.21を所得税と共に申告し、納付します。

資産の譲渡の扱いになるケースの中で、その資産の時価によって影響するものについて教えてください。

 

譲渡とは、所有資産を移転させる行為のことで、この行為が有償で行われたのか否かは関係なく、通常の売買以外にも、法人に対する現物出資、交換、収用、競売、財産分与、公売、代物弁済なども譲渡の範囲に入ります。また、以下のようなケースは、その資産の時価によって課税金額が決まります。
1. 貸借権、地上権、地役権の設定によって権利金などを貰った場合
:構築物や建物を持つために借地権を設定することで貰う権利金などに関しては、その金額が借地権の設定がされた土地の時価の5割を超過する場合、譲渡所得の課税対象になります。
2. 限定承認をすることで相続を行うことになった場合や法人に資産を贈与した場合
:以下の(1)と(2)のような事由で資産の移転があったら、その資産の時価で資産の譲渡が行われたものとして、課税対象になります。
(1)限定承認の包括遺贈や限定承認の相続(個人に対するものに限定)
(2)法人に対して行う遺贈や贈与、時価の5割未満である価額による譲渡
この他にも、資産の消滅によって補償金などを貰った場合も、その補償金などが譲渡所得の課税対象になります。

一方、所得税の課税対象にならない譲渡所得は、下記のケースになります。
1.生活用資産を譲渡することによる所得:衣服、じゅう器、通勤用の自動車、家具などの生活に必要な動産を譲渡することに伴う所得です。
ただし、一個・一組の価額が300,000円を超過する骨董や宝石、貴金属、書画の譲渡による所得は課税対象に入ります。
2.強制換価手続で行われた資産の競売による所得:資本力を失って債務の弁済が大幅に難しくなった場合、(1)強制換価手続の執行をせざるを得ないと考えられる場合の資産の譲渡所得(2)強制換価手続で行われた資産の譲渡による所得で、債務の弁済にその譲渡代金の全てが補充されたものです。
3.公社債などの譲渡が行われることによる所得:貸付信託や公社債、公社債投資信託の受益権を譲渡することによる所得に関しては、以下の公社債の譲渡所得以外は課税対象に含まれません。
(1)日本国外で発行された割引会社債を日本内での譲渡による所得
(2)利付公社債の内に、下記のどちらかの場合に該当するものを日本内での譲渡による所得
a.利子の利率が大幅に低いものとして財務省令で決まっているもの
b.利子に関わる部分と元本に関する部分が部分ごとに独立した取引が行われるもの
c.利子の利率の中で一番高い利率と一番低い利率の150%以上であるもの
d.利子の計算時期が1年以上であるものや、利子の計算期間が1年以上であるもの
(3)利子が支払われない公社債の譲渡による所得
(4)日本国内で発行された一定の短期の割引公社債の譲渡による所得
(5)日本国内発行の割引公社債の中で、旧住宅金融公庫、独立行政法人住宅金融支援機構、独立行政法人都市再生機構、沖縄振興開発金融公庫、外国政府や外国の国際機関から発行されたものの譲渡を行ったことによる所得
(6)新株予約権付社債に関する社債の譲渡を行うことによる一定の所得
4.国などに対して重要文化財の譲渡をした場合
:文化財保護法の定めによる重要文化財を国、独立行政帆人国立美術館、地方公共団体、独立行政法人国立科学博物館、独立行政法人国立文化財機構に譲渡した場合は、譲渡所得としての課税対象に含まれません。
5.財産を相続税の物納に補充した場合
:その資産の譲渡はなかったものとされます。しかし、物納の許可限度額の以上の価額の財産を物納した時には、その超過部分は譲渡所得として課税されます。
6.公益が目的である事業を経営する法人への財産寄附や、国などに対して行う財産寄附の場合の所得に関して、国税庁長官の承認を受けた場合は、その寄附はなかったものとなり、課税対象に入りません。

資産譲渡による所得でも、下記の所得は譲渡所得ではなく、雑所得や山林所得、事業所得の課税対象に含まれます。
1.取得価額が10万円に満たない減価償却資産(業務の誠実上、基本として重要視されるものは除外)、使用可能期間が1年に達しない減価償却資産、取得価額が20万円未満の減価償却資産で、取得する時に「一括償却資産の必要経費算入」の定めの適用をされたものを譲渡した場合:事業所得か雑所得になります。
2.立木のまま譲渡した場合や、山林を伐採して譲渡した場合:山林所得(山林の取得をして5年以内に立木のままで、または伐採をして譲渡する時には、雑所得や事業所得になります)
3.不動産所得や雑所得、山林所得が発生する業務に務めている人がその業務に対して下記4の棚卸資産に準じる資産の譲渡を行った場合:雑所得
4.事業所得者が 仕掛品、原材料、商品、半製品、製品などの棚卸資産の譲渡を行った場合:事業所得
5.1~4までの資産以外の資産相当の期間に渡って、引き続けて譲渡を行っている場合:事業所得か雑所得

このような譲渡所得は、対象の譲渡資産の種類によって分離課税・総合課税と区分されて課税されることになります。
建物などや土地、そして株式などの内に短期所有土地の譲渡の範囲に入ると考えられるものは分離課税(土地建物など)に含まれます。なお、株式などの中でゴルフ会員権の譲渡に似ているものは総合課税、その他の株式などに対する譲渡は分離課税(株式など)の奉納で課税されます。
2010年1月1日から譲渡される店頭カバードワラントと上場カバードワラントの場合は分離課税(先物取引など)となり、それ以外の資産は総合課税の対象に含まれます。

総合課税の計算は、譲渡所得の金額を、給与所得・事業所得等の他の所得を全部足して、所得税法の定めによる累進税率で算出されることになり、分離課税の計算は、譲渡所得の額数に対する税額を、給与所得や事業所得などの他の所得とは分離して租税特別措置法の定めによる税率で算出されます。

Copyright(c) 2014 時価から判断する税金 All Rights Reserved.